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普通の生え変わりじゃない?4歳までに乳歯が抜けたら疑う病気とは

乳歯の生え変わりは大体6歳前後から始まります。

とはいえ歯の生え変わりは個人差が「かなり」あります。

遅い子は2~3年生になってから最初の1本が抜ける、ってことも。

早い子だと5歳ぐらいでしょうか?

ただし!

早すぎる場合は要注意です。

具体的には4歳以下で歯が抜けたら要注意

もしかしたら「低ホスファターゼ症」という病気かもしれません。

低ホスファターゼ症って?

1. 「低ホスファターゼ症」とはどのような病気ですか
アルカリホスファターゼという酵素に異常があり、骨の石灰化が障害され、骨が弱くなる病気です。程度は様々で、生きていくのに困難な患者さんからほとんど症状のない患者さんまでいます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
10万人に1人程度生まれ、生命予後の悪い患者さんもいることから、100人〜200人程度の患者さんがいるのではないかと推定されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか
常染色体劣性遺伝する病気で、ほとんどの場合、ご両親とも異常な遺伝子を1つずつ持っていて、その両方が伝わった場合、病気が発症します。

4. この病気の原因はわかっているのですか
組織非特異的アルカリホスファターゼ遺伝子の異常で起こります。

5. この病気は遺伝するのですか
常染色体劣性遺伝する病気です。一部、常染色体優性遺伝の場合があります。

出典
低ホスファターゼ症(指定難病172)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4564

遺伝子の病気みたいですね。

体の中でアルカリホスファターゼが少なくなることで、骨や歯、その他全身に影響が出る病気のようです。

10万人に1人ってことは・・・0.001%?

年末ジャンボ3等で100万円が当たる確率と同じぐらいでしょうか。

かなり低い確率。

乳歯の早期脱落が特徴

本題の乳歯の生え変わりについてですが、冒頭でお話した通り、通常は6歳前後で生え変わりが始まります。

早い子は5歳ぐらいから始まりますが、流石に4歳は早すぎるように感じます(少なくとも僕は)。

なので、4歳で歯が抜けたら「普通じゃないかも?」って思ったほうが良いでしょう。

じゃあ低ホスファターゼ症とどんな関係があるのか?ってところですが、低ホスファターゼは「乳歯の早期脱落」が大きな特徴になっています。

低ホスファターゼ症の診断基準

主症状
1.骨石灰化障害
骨単純X線所見として骨の低石灰化、長管骨の変形、くる病様の骨幹端不整像
2.乳歯の早期脱落(4歳未満の脱落)

主検査所見
1.血清アルカリホスファターゼ(ALP)値が低い(年齢別の正常値に注意:各施設の年齢別正常値で判定するが、成長期の小児の血清ALP値が300IU/L未満である場合は、本症を疑う必要がある)

出典
低ホスファターゼ症(指定難病172)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4565

4歳までに乳歯が抜ける → 怪しいので大学病院へ紹介 → 血液検査で発覚

というような流れになるでしょうか。

知らない先生も多い

ただ、そもそも低ホスファターゼ症について知っている先生が少ないのも事実です。

だって10万人に1人ですからね。

そのため「生え変わりが早いですね~」で終わる場合も多々あるでしょう。

実際、低ホスファターゼ症は軽症から重症までかなりばらつきがあるので、低ホスファターゼ症だと気づかないまま過ごされている方がいないとも限りません。

ケガで抜けるのは別

この低ホスファターゼ症、乳歯の早期脱落が特徴ではありますが、あくまで自然脱落です。

4歳までに勝手に抜け落ちた場合は疑って欲しいんです。

転倒して歯が抜けた場合などとは別ですね。

ここはごちゃまぜにならないよう注意。

治療法は?

7. この病気にはどのような治療法がありますか
いままで、根本的な治療法はありませんでしたが、欠損しているアルカリホスファターゼを補充する、酵素製剤が開発され、製造販売承認された。今後は、酵素補充療法が基本治療となり、その上で、対症療法が組み合わされていくものと考えられます。

低ホスファターゼ症(指定難病172) – 難病情報センター

現段階では根本治療はできないようです。

ただ、不足しているアルカリホスファターゼを補充する治療法があるようですね。

ストレンジックというお薬のようです。

このお薬を使いながら、定期検診で問題が無いかチェックしていく形になるんでしょうね。

歯が抜けたらどうするの?

4歳までに歯が抜けて、次に大人の歯が生えてくるのは6歳前後。

この2~3年間は歯抜けで過ごすのか?と考える方もいるでしょうが、子供用の入れ歯を作ることがで解決できます。

「子供に入れ歯?」と思うかもしれませんが、小児歯科ではよくあることです。

ケガで歯が抜けても入れ歯使いますし、虫歯で歯を抜くことになっても入れ歯を使います。

教科書にも小児義歯って書いてあるぐらいですね。

治療法としては一般的に用いられています。

「あー、もう歯がぬけちゃった・・・」で終わっちゃうかもしれませんが、早すぎる乳歯脱落はちょっと気になります。

できれば一度、小児歯科に強い歯科医院の受診をオススメしたいところであります。

参考リンク

低ホスファターゼ症(指定難病172)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4564

HPP
http://www.hppsource.jp/

低ホスファターゼ症の会
http://hypophosphatasia.life.coocan.jp/

ストレンジック
http://strensiq.jp/index.html

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