仮封材の1つ、キャビトン。
GCが作ってるやつですね。
僕もキャビトンをよく使います。
練和不要で一塊充填。
めっちゃ楽ちんですよね。
練る時間がいらないからスピーディーに仮封できるし、唾液の水分で固まるから他のセメントみたいに固まるまで待たなくていいし。
じっとできない子供の治療では大活躍です!
でもそんな便利なキャビトンも、ちゃんと使わないと根管治療が失敗してしまいます。
より効果的にキャビトンを使うには
- 厚みを3.5mm以上取る
- 綿球の上にキャビトンを置く
これが大事。
じゃないと、すぐに辺縁漏洩して根治がうまくいかないですよ~。
何で厚み3.5mm?
というわけでまずは厚みの解説から。
3.5mmの根拠はこの論文。
Our conclusions point out that in order to improve the intervisit seal, a filling thickness of at least 3.5 mm. of Cavit should be used
引用:Sealing quality of a temporary filling material
抜去歯をキャビトンを使った研究ですね。
辺縁漏洩を防ぐには最低3.5mmの厚みが必要だよ!って結果になってます。
あ、もちろんペラッペラの充填じゃだめですよ。
みっちり緊密に充填して3.5mmです。
仮封材ケチっちゃだめ。
綿球いるの?
貼薬は水酸化カルシウム。
根充のシーラーはユージノール。
この場合、綿球は「必須」です。
なぜなら、
2.ユージノール系製品、水酸化カルシウム製剤の上に本品を填入する場合は、硬化不良を防ぐために綿球またはワセリンを介在させてください。
3.窩洞が深い場合には、深い場所に填入された本品迄充分に水分が行き渡らず、適切な硬化状態が得られない場合がありますので、他の仮封材と併用して二重仮封していただくことをおすすめいたします。引用:http://www.gcdental.co.jp/sys/data/faq/view/805/item=1076/category=4/
だからです。
水酸化カルシウムやユージノールはキャビトンの硬化を阻害します。
なので、キャビトンと触れないように綿球を間に挟むわけです。
綿球とキャビトンの二重仮封ですね。
じゃないと底の方のキャビトンがちゃんと硬化せずに脱離の原因になります。
ちなみにストッピングでもOKです。
でも用意するの面倒くさくないですか?ストッピング。
僕は小児歯科医なので、速さを重視しています。
加熱が必要なストッピングよりは、あらかじめ用意しておいた綿球をひょいっと入れるほうが良いと考えています。
ただ、繊維がキャビトンに巻き込まれるとすぐに辺縁漏洩しちゃうんですよね。
なので綿球入れる時は繊維が外に出てこないよう、しっかり入れてくださいね。
あ、手で丸めた綿球を使うのは論外ですよ。
手先についた細菌を歯の中に押し込めてるようなもんなので。
キレイな綿球を使って下さいね。
まとめ
- キャビトンの厚みは3.5mm以上
- 水酸化カルシウムやユージノールに触れると硬化阻害が起きるので綿球の上にキャビトンを置く
- 綿球は清潔なものを使う
以上、キャビトンの使い方でした!
コメント