僕の勤務先にはウェーブワンゴールドというニッケルチタンファイルが置いてあります。
大人の治療の時に使って「これは便利だー!」って凄く思ってました。
根幹の拡大と形成が一発でできちゃいますしね。
で、「乳歯でもニッケルチタン使えば処置時間が短くなって良いのでは?」と思ったんですよね。
僕は子供の治療時間は出来るだけ短いほうが良いと考えています。
1分でも30秒でも短縮する方法があれば取り入れたいです。
というわけで、乳歯の抜髄や根治で実際に使ってみました。
結論から言うと「めちゃくちゃ早くて便利」
上下左右のDEで一通り使えたので、感想を述べたいと思います。
手用ファイルより圧倒的に早い
使った器具は
- ウェーブワンゴールド プライマリー 21mm(赤色)
- Xスマート プラス
この2つです。
Xスマートプラスは初期設定のままです。
今はXスマートIQという新型が出ているみたいですね。
根管口明示まで行ったらウェーブワンゴールドを入れるだけです。
機械が勝手にやってくれるので本当に楽。
乳歯の根幹は湾曲してることが多いんですが、問題なく拡大できました。
根充後のデンタルを見る限り、手用Kファイル使うより正確に拡大できてるんじゃないでしょうか?
初めは根尖を突き抜けてパーフォレーションしないか?という不安もありましたが、心配いらないですね。
EMRなくても手指感覚で十分に根尖がわかります。
感覚的には30〜40号ぐらいで乳歯の根尖付近を触ってる感じです。
根管口も適度に拡大されるので、ルートキャナルシリンジやビタペックスも狙いをつけやすい。
それに残髄もほとんどしない。
手用ファイルより1〜2分は早く処置できるので、毎回使いたくなりますね!
注意点
良いことばっかりのニッケルチタンですが、注意点もいくつか。
当たり前ですが乳歯の処置前はデンタルかパノラマを取りましょう。
根尖病巣や交換期で根尖が吸収してる場合、あっさりとファイルが根尖を超えてしまう可能性が高いです。
手用ファイルで根治する時と同じなのですが、永久歯胚のダメージや術後疼痛を避けるためにも「根尖が閉じているかどうか」は念入りに確認してから使って下さい。
また、開口量が小さい子供には不向きです。
ファイル部分21mmとエンジンのヘッド部分を合わせると30mmぐらい長さがあります。
裏を返すと30mmの器具を口に入れられる子供にしか使えません。
口が開かない子には使わないほうが無難でしょう。
さらに、コストも考える必要があります。
ウェーブワンゴールドはオートクレーブ不可なのでディスポ扱いです。
1本2000円ぐらいするファイルなのに、です。
便利だからと言って何も考えずに使いまくってると費用がかさみます。
- 1回の治療でDEを同時に抜髄しないといけない
- 泣いて暴れる子だから早く処置しないといけない
など、時間短縮のメリットが大きいケースを選んで使うと良いでしょう。
僕の乳歯に対する根治の考えをまとめてますので、宜しければこちらも御覧ください。
コメント
プロテーパーゴールドのSX使うとやり安いですよ。
waveoneより2mm短い19mmで先端が大体20号ぐらいです。
SX→Nitiハンドファイル30号→超音波洗浄Uファイル→SXの繰り返しで
SXはゲーツの構造をファイルに反映させてるので、入れすぎると100号程度コロナルフレアがつくので入れすぎ注意です。
プロテーパーなら滅菌再利用OKのはずです。
ハンドファイルもあるのでお好みで使う分けると 器械音を嫌う子だとハンドファイルのほうがやり安いです。