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子供の虫歯治療で乳歯の神経を抜くことに!永久歯はどうなる?

引用:第110回 歯科医師国家試験 D-4

乳歯の虫歯がかなり進んでいます。
神経を取る治療をする必要があります。

えっ!神経取らないとだめなんですか?
永久歯はどうなるんですか?

虫歯治療で乳歯の神経を取ると、永久歯に悪影響があるんじゃないか?って思いがちですよね。

僕がよく保護者に聞かれる質問が「永久歯は大丈夫なんですか?」といったことです。

実は乳歯の神経を抜いても、永久歯にはほとんど影響がないことが多いんですよ。

乳歯と永久歯の神経は繋がっていない

引用:第110回 歯科医師国家試験 D-4

 

これがさっきの虫歯の写真のレントゲンです。

これだけだと歯科関係者以外はさっぱりだと思うので、虫歯の歯に着目して色付けしてみると

 

 

こんな感じ。

乳歯の神経を取ったとしても、永久歯には影響がないんですよね。

だって繋がってないんですから。

乳歯と永久歯の神経は別々ってことね。

神経を取らないほうが永久歯に悪影響が出るかも?

どうせ生え変わるんだし、無理に乳歯の神経取らなくてもいいんじゃないの?

神経を取るべき乳歯は、早い段階で取ってあげた方が永久歯を守ることに繋がります。

 

乳歯と永久歯は繋がってないとはいえ、虫歯が大きい場合は神経を取ったほうがいいです。

そのまま放って置くと、バイ菌が神経の管を通って根っこの先で増え始めます。

そして痛みの原因になったり、膿の袋を作ったりします。

 

根っこの先で増えたバイ菌は、すぐ近くにある永久歯に影響を与える可能性が高いです。

本来は硬い永久歯ですが、バイ菌にやられちゃうと硬くなりきれず、少し弱い永久歯になってしまいます。

専門的には「形成不全」「ターナー歯」などと言います。

教科書にも

 根尖性歯周炎は、炎症が混戦周囲に波及しているため、近接する後継永久歯歯胚の状態も十分に把握する必要がある。影響が後継永久歯歯胚に及ぶと、歯質の低石灰化や減形成が生じたり(ターナー歯)、萌出異常の原因になる。

小児歯科は成育医療へ P140
デンタルダイヤモンド社

 乳歯の根尖性歯周炎に罹患した既往のある患者において、その乳歯直下で形成されている後継永久歯のエナメル質に減形成がおこることがある。これをターナー歯という。エナメル質減形成は、歯質の一部に原曲して変色あるいは軽度な実質欠損にとどまるものから、エナメル質の形成が著しく障害されて形態異常を呈するものまで様々である。

小児の歯科治療 診査・検査・診断 P37
永末書店

永久歯のエナメル質減形成
永久歯形成期の乳歯外傷あるいは乳歯根尖病巣がエナメル質の形成を阻害して起こる。ターナーの歯という。

小児の歯科治療 シンプルなベストを求めて P48
大阪大学出版会

 

って書いてるぐらいですしね。

小児歯科の間では結構有名なことです。

乳歯ならともかく、一生使う永久歯。

茶色っぽく変色した歯だったり、虫歯になりやすい歯になってしまったら嫌ですよね?

なので、神経を取るべき場合はしっかり取って治療をする方がいいんです。

「どうせ生え変わるから・・・」と思ってほったらかしにするほうが、かえって後悔するかもしれませんよ。

 

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