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小児歯科専門医になる条件は?施設、学会、論文、試験、費用まとめ

全歯科医師数が約10万人。

その内、小児歯科専門医は約1000人程と言われています。

たったの1%。

超レアですね。

自分で専門医を探して歯医者に行かないと中々出会わないレベルじゃないでしょうか?

そんな小児歯科専門医ですが、資格を取るまでには長い道のりがあります。

正直な所、結構面倒ですし、条件も細かいです。

なので、今回は小児歯科専門医をとる条件をまとめてみたいと思います。

必要な条件

まずは大まかな条件から見ていきましょう。

全体像が先にわかると、細かい条件も頭に入りやすいですね。

第5条
規則第 8 条における必要な教育研修単位数は、附表1に示す臨床、学術、業績の各研修の最低必要単位数を含み 150 単位以上とする。また大学研修施設で 40 単位以上の研修を受けるとともに、通算 5 年以上の小児歯科臨床経験を有すること。ただし、原則として卒直後 1 年間の歯科医師臨床研修期間は除くものとする。

「色々頑張って150単位集めてね!でも40単位は大学にいないとだめだよ。5年以上の診療もしてね。」

っていう感じですね。

というわけで、最短5年かけて150単位を集めて行くことになります。

臨床研修

1.臨床研修:各施設での研修(最低必要単位数 60:ただし、大学研修施設での研修単位を40単位以上含むこと)
1)研修施設(1 年間) 20
2)研修施設以外で専門医指導医がいる施設(1 年間) 10
3)研修施設以外で専門医がいる施設(1 年間) 5
*1 年未満の教育研修は、研修を行った月数を 12 で除した値に所定単位数を乗じて算定する。
*曜日単位の教育研修は、研修を行った曜日数を 5 で除した値に所定単位数を乗じて算定する。
*但し、移行期間にまたがる研修単位については専門医認定委員会で審議する。

大学に1年いれば20単位、他の施設なら5単位か10単位って感じですね。

最低60単位は必要。

40単位は大学指定なので、少なくとも2年間は大学にいないといけない計算になりますね。

残り20単位をどうするか。

あと1年大学に残るのか、指導医のいる施設に2年行くのか、専門医のいる施設に4年行くのかで悩みそう。

学術研修

2.学術研修:小児歯科関連の学会および研修会での発表あるいは参加
(最低必要単位数 50)
1)日本小児歯科学会大会(全国大会、地方会大会、専門医研修セミナー)
(イ) 発表者のみ(共同発表者は含まない) 15
(ロ) 参加者 10
2)小児歯科関連の国際学会大会(国際小児歯科学会、アジア小児歯科学会など)
(イ) 発表者(共同発表者は含まない) 15
(ロ) 参加者 10
3)小児歯科に関連する学会大会または地域単位の研修会
(イ) 発表者(共同発表者は含まない) 10
(ロ) 参加者 5

いわゆる学会参加ですね。

最低必要単位は50。

日本小児歯科学会に参加するだけで10単位なので、5回参加すればいい計算。

1年に1回参加すれば、5年でOK。

臨床経験5年の条件も一緒に満たせますね。

2回発表+2回参加にすれば、1回参加しなくても計算上は50単位に届きます。

業績

3.業績:小児歯科学分野の研究や症例の学術雑誌等への論文発表(最低必要単位数 10)
1)小児歯科学雑誌または Pediatric Dental Journal
筆頭著者 10
共同著者(筆頭より5番目までに限る) 5
2)上記以外の学術雑誌
筆頭著者 5
共同著者(筆頭より5番目までに限る) 2
3)学術著書
単著あるいは編者 10
分担執筆 5
4)商業雑誌等
筆頭著者 5
共同著者(筆頭より 5 番目までに限る) 2

論文の執筆

これが一番の壁じゃないでしょうか?

大学の医局にいる人は、必然的に1の小児歯科学雑誌かPDJになるでしょうね。

あるいは2の他の学術雑誌に論文を2本投稿するのでも構わないでしょう。

3の学術著書は・・・現実的ではないでしょうね。

専門医を取る前の先生が本を書く機会なんて滅多にないでしょう。

大学以外で勤務している先生は4が狙いやすいんじゃないでしょうか?

クイントや歯界展望等に症例発表を載せることを目指します。

小児歯科臨床でもいいのかな?

対象となる雑誌を詳しく把握してないので、商業雑誌掲載を狙っている方は調べてみて下さい。

社会活動

4.社会への貢献(注6) 1件につき最高 3

注6:具体的内容を記入し(本会・地方会活動、講演、地域の保健活動、専門学校の講義、公共
出版物への執筆など)、専門医認定委員会において単位評価を行う。一つの活動項目につい
て単位認定がなされ、1 年間で 12 単位を上限とする。

ちょっとマイナーですが、社会貢献でも単位を得ることができます。

  • 保健センターや学校への歯科検診
  • 衛生士、技工士の学校で講義
  • 公民館や地域のホールで公演

などなど、単位として認定されます。

「これ社会貢献かも?」

って思うことは、何でも記録を取っておくといいでしょう。

試験

第4条 専門医試験は,次の各号の科目について行う。
(1) ケースプレゼンテーションおよび口頭試問(注 1)(2症例)
(2) 症例課題(注 2)(記述試験)
(3) 客観試験(注 3)(選択肢問題)
注1:
・症例リスト(第4号様式 4-2)の中から2症例についてケ-スプレゼンテ-ションと口頭試問を行う。2症例のうち1症例は予め申請者が選ぶことができる。他の1症例については試験委員が選定し,試験案内の際に通知する。
・1 症例につきケ-スプレゼンテ-ション 15 分,口頭試問 10 分とする。
・ケースプレゼンテーションは,口腔内写真、スタディモデル、エックス線写真、分析データ・検査データ等の資料を用意し,検査,診断,治療方針,治療経過について説明する。資料については,患者名(個人情報)が明らかにならないよう配慮すること。
注2:試験委員が提示した症例の資料に基づいて,診断や治療計画を記述するものとする。
注3:小児歯科専門医に必要な全般的知識を問う選択肢問題とする。

記載する症例は,主治医として担当した小児歯科治療 10 症例で,2 年以上の長期継続観察症例(乳歯列期から混合歯列期にかけての症例を含むこと)を 5 症例以上記載すること。診療内容は齲蝕、外傷、咬合誘導、過剰歯・小帯異常、齲蝕予防管理,歯周疾患あるいは発達障害児,全身疾患を有する小児,歯科的不協力児の長期口腔管理などで1患児 1 症例とする。

試験内容は症例発表と筆記試験ですね。

症例は10症例必要です。

そのうち、2年以上の長期観察症例が5症例

これが中々厳しい。

乳歯列から混合歯列になるってことは、大体幼稚園年長〜小学校低学年の頃ですよね。

この時期って、学校区や引っ越しの兼ね合いで、歯医者に来れなくなるお子さんが大勢います。

また、症例発表をするからには資料が必要です。

術前術後の口腔内写真、模型、パノラマ、デンタル、咬合誘導ならセファロ

他にもプラークチャートや食事カードですね。

一般開業医では資料を集めてる余裕がないかもしれませんね。

裏を返せば、資料さえあれば試験はなんとかなります。

要求されている処置自体は難しい内容ではありませんしね。

う蝕処置や外傷でも十分試験に提出できます。

う蝕予防管理はフッ素塗布やTBI等で虫歯にしませんでした、っていう発表をすればOKです。

費用

第 11 条 本制度の施行にかかわる諸費用は次のように定める。
(1)専門医認定申請料 1 万円
(2)専門医認定審査料 2 万円
(3)専門医継続料 1 万円/年(認定日の翌年度から)
(4)専門医認定更新審査料 1 万円

専門医の申請が1万、試験が2万。

専門医を取ったら毎年1万、更新料が1万。

そこまで高額なわけでは無さそうですね。

妥当だと思います。

おすすめの専門医取得方法

で、これはあくまで僕のオススメなんですが、小児歯科の大学院に残るのが一番だと思います。

なぜ大学院なのかというと、

  • 博士が取れる
  • 博士を取るのに4〜5年かかり、専門医に必要な5年の臨床経験を同時に満たす
  • 博士論文が専門医の単位になりやすい
  • 大学には子供が集まってくる
  • 指導してくれる先生が多い
  • 資料が揃えやすい

といった具合でしょうか。

開業医や他の施設で専門医を取ることももちろん可能でしょうが、単位を集めるのが少し大変かもしれません。

口腔内写真を撮る暇があったら患者を見ろって言われたらどうしますか?

食事カードって書いたこと無いんですけど必要なんですか?って保護者に質問されたら?

ちょっと気まずいですよね。

でも大学なら大丈夫。

そういった資料を集めるのは多くの患者さんで行われていますし、実際の治療に必要なものです。

患者指導にも使いますしね。

もちろん大学院に行くとなると学費が発生します。

でも専門医を取れば、お給料もたくさん頂けると思うので、長い目で見ればお得かもしれませんよ。

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しんどいことも多いと思いますが、5年ちょっとです。

後で振り返れば「専門医取るまで早かったな〜」と思うようになるかもしれませんよ。

参考資料

302 Found

http://www.jspd.or.jp/contents/common/pdf/gakkai/specialist_shiken.pdf

http://www.jspd.or.jp/contents/common/pdf/gakkai/specialist_rule.pdf

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